プロマジシャンのルーティン設計思想:観客を感動させるマジックの構成術
- Ahan magician
- 10月16日
- 読了時間: 9分
マジックを始めてしばらく経ち、あなたはきっと気づいたはずです。
YouTubeで種明かしを見て練習を重ねても、実際に披露すると観客の反応がイマイチ...。家族や友人から「へぇ、すごいね」という当たり障りのないコメントしかもらえない。
実は、その原因はマジック自体にあるのではありません。
問題は、マジックの「構成」と「魅せ方」にあるのです。
この記事では、10年以上マジック業界に携わってきた経験から、観客を魅了するマジックの構成方法と思考法を詳しく解説します。記事を読み終える頃には、あなたのマジックが観客にとって忘れられない体験に変わることでしょう。
筆者プロフィール
はじめまして!Webライター兼マジシャンのAhanです。私は2015年からマジシャンとして活動し、日本だけでなくカナダでもマジックを披露してきました。特に、マジックの「理論」と「構成」を体系化し、どのようにして魅せるかということに重点を置いています。現在は、マジックに関する情報を発信するサイトMagishと、マジックのオンラインレッスンを提供するMschoolの講師を務めています。
人間の脳は「ストーリー」を求めている

Youtubeで覚えたマジックをただ見せているだけになっていませんか?
マジックをただ見せるというのは”トリックを見せているだけ”になり、観客からは「がんばって覚えたんだな」としか思ってもらえません。
多くの方が初心者止まりになるのは、ストーリーとしてマジックを魅せることができていないからです。
つまりストーリーのあるマジックとは、起承転結があり、見た人に感動を与えるエンターテインメントに昇華させるということになります。
心理学的に観客の心を操る
ストーリー性のあるマジックでも、ただストーリーを作ってマジックをすればいいというわけではありません。
起承転結があり、なおかつ相手の予想を裏切る形でクライマックスを終える必要があります。
例:アンビシャスカード(指を鳴らすと一番上に上がってくる)
✅予想通りのパターン
真ん中に入れても指を鳴らすと一番上に上がってくる
一番下に置いても指を鳴らせば一番上に上がってくる
観客の手の上に置いても、マジシャンが指を鳴らすと観客の手の中で一番上に移動している
✅予想を裏切るパターン
真ん中に入れても指を鳴らすと一番上に上がってくる
一番下に置いても指を鳴らすと一番上に上がってくる
間違えて指を3回鳴らしてしまった。するとカードが移動しすぎて胸ポケットまでジャンプしている
「指を鳴らすと一番上に上がってくるマジック」でも、指を鳴らす回数を変えて観客の予想を裏切るクライマックスを作ることができます。
このように予想していた以上のことが起きることで、観客に感動を与えることができます。これをポジティブ・サプライズ効果といい、その体験がより強く好意的に記憶に残る心理現象のことです。
参考文献:ポジティブ・サプライズ効果とは?
プロが実践する「3段階構成」の秘密

マジックの構成思考法の基礎となる、3段階構成のルールを紹介します。
第1段階:オープニング
オープニングで大事なのは、親近感の演出とマジシャンのキャラクターを認知させることです。
✅ 具体的な手法:
軽いアイスブレイクで場の雰囲気を和ませる
観客の名前を聞いて親近感を演出
声のトーンや口調を合わせ、簡単なマジックを披露
第2段階:中盤(感情のコントロール)
オープニングで観客の心を掴んだら、次は中盤となります。本格的なマジックを始めつつ、観客の緊張や驚き、安堵などの感情をコントロールする時です。
✅ 具体的な手法:
メインとなるマジックの「仕込み」を行う
観客に選択権を与えて参加意識を高める
小さな驚きで期待値を段階的に上げる
第3段階:クライマックス
いよいよクライマックスです!相手の予想を裏切るような魔法を観客に届けましょう。
✅ 具体的な手法:
観客の予想を完全に超えたマジック
感情に訴える演出(感動、笑い、驚き)
難しいマジックではなく、観客の予想をこえるマジック
よくある質問(Q&A)
Q: 構成を意識すると、かえって不自然になりませんか?
A: ”家族や友人に少し見せる程度”なら、トリックだけでも十分かもしれません。ただし趣味としてマジックを続けるのであれば、構成を意識した練習を重ねることでより上達が期待できます。
少しマジックができる人から「驚きと感動を与えるマジシャン」として、友人や家族にマジックを披露する日も近くなります!
Q: SNSの種明かし動画だけではダメなの?
A: 種明かし動画は視聴者の「知りたい」を簡単に刺激でき、視聴数が獲得できます。そのため魅せ方や構成について解説している動画は少ないです。
”トリックを覚えるだけ”と単調で飽きてしまい、趣味として継続するのが難しくなってしまいます。
構成をマスターする具体的な3つの方法

ここまで読んでいただき、マジックの構成がいかに重要かご理解いただけたと思います。
しかし構成の方法を知っただけでは不十分です。実際の演技で自然に実践できるようになるための具体的な方法を紹介します。
①現在の演技を録画分析する
スマホのカメラで撮影し、自分の演技を客観視に観察してみましょう。自分でも気づけなかった癖や、思っていた以上に長く感じる繋ぎ目(間)が見つかります。
オープニングで観客の注意を引けているか?
中盤で適切に期待値をコントロールできているか?
クライマックスで強烈な印象を残せているか?
②プロの演技を構成視点で観察する
Youtubeでタネを覚えるのではなく、プロマジシャンの演技に着目して動画を見て、マジック構成のヒントにしましょう。
どのタイミングで観客の表情が変わるか
セリフと現象のタイミング
間の取り方と観客との距離感
③プロからのフィードバック
自己流の間違った解釈で遠回りしないためにも、早い段階でプロのマジシャンからフィードバックをもらうのが一番良い方法です。 「でもどうやってプロからフィードバックをもらえるのか?」
オンラインマジックレッスンのMschool(エムスクール)なら、あなたのマジックをプロのマジシャンから自宅にいながらフィードバックがもらえます!
Mschoolでできること!
マジックを「トリックを見せるだけ」から、「観客を魅了する」までにしたいならMschoolのオンラインレッスンがお勧めです。
またMschoolには複数のプランがあり、あなたのフィードバックをもらいたいプランを選ぶことが可能です!
オールラウンダープラン
「いろんなマジックのフィードバックが欲しい!」 「幅広いマジックの構成を知りたい」
トランプマジックやコインマジックを始め、ロープやルービックキューブを使ったマジックまで幅広くマジックの魅せ方や構成方法を学びたい方向けのプラン!
トランプマジック専門プラン
「SNSで覚えたトランプマジックを見てほしい!」 「トランプマジックを極めたい」
自分もSNSでトランプマジックの動画を披露するまでになりたいなど、トランプマジックだけに絞りたい方向けのプラン。
次のステップ:プロから学ぶ実践的指導

マジックの構成をマスターする3つの方法について解説しましたが、やはり自己流だと限界があります。なぜ自己流だと限界があるのか、限界になった場合はどうすればいいのか一緒に見ていきましょう!
なぜ独学では限界があるのか?
🚫 独学の限界
自分の演技を客観視できない
観客の微細な反応を読み取れない
失敗の原因を正確に特定できない
改善点を見つけても修正方法が分からない
プロのフィードバックで限界を超える
✅ Mschoolのメリット
完全マンツーマンで個人の特性に合わせた指導
オンラインでリアルタイムで演技のフィードバック
月4回のレッスンで継続的に改善可能
様々なシチュエーションでの対応方法
❌Mschoolのデメリット
月額費用がかかる
プランによっては特定のマジックのフィードバックがもらえない
回数制限がありSNSのようにやり放題ではない
実際の生徒さんのレビュー💬

40代 男性 このようなオンラインでのマジックレッスンは初めてだったため、緊張していましたが、声かけなども優しく丁寧に教えていただき段々と緊張もほぐれてきました。こちらの希望を聞きながら指導をしていただけるため、好きなジャンルや場面を想定した内容も教えていただいています。質問などにも丁寧に教えてけるため、初心者の自分でも気軽に相談ができるためとてもありがたいです。
50代 男性 受講者の技量と習得希望の内容を丁寧に教えていただいています。レクチャー後に練習した技法や質問内容などを次回に再度お聞きできますのでレベルアップにもつながるかと思います。
マジックの構成をマスターして新しい自分を発見しよう!
マジックで観客を魅了するために最も重要なのは、華麗な技術でも高価な道具でもありません。観客の心を動かす「構成」と「魅せ方」です。
この記事でお伝えした内容を実践すれば、あなたのマジックは確実に変わります。しかし、理論を知っているだけでは真の実力は身につきません。
プロフェッショナルの指導のもとで、構成の考え方を実践的に学び、観客を魅了するマジシャンへと成長してみませんか?あなたの人生を豊かにする新しい趣味が、そこで待っています。
あなたのマジックを「凄い!」から「感動!」へ




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